勉強戦略~エビングハウスの忘却曲線~

Posted on:2012/12/29
Author:hayabusa

この勉強戦略は巷に転がっている安易な勉強法ではなく、もっと広く、長期的な視点で見た「戦略」である。
また同時に受験だけでなくすべての勉強に使えるものでもある。

勉強法には向き不向きがあるといったレベルのものではなく、
現在わかっている人間の記憶の仕組みを考えればこうするべきだという
万人に向いている戦略なので、これから何を勉強し、どんな勉強法を選択して実践していくにせよこの勉強戦略に従って勉強するといい。

エビングハウスの忘却曲線を拡張して解釈し、3つのポイントに絞って解説する。

エビングハウスの忘却曲線とは

忘却曲線
無意味な音節を記憶し、その再生率を調べて導かれた忘却率の曲線
20分後には、42%を忘却し、58%を覚えていた。
1時間後には、56%を忘却し、44%を覚えていた。
1日後には、74%を忘却し、26%を覚えていた。
1週間後には、77%を忘却し、23%を覚えていた。
1ヶ月後には、79%を忘却し、21%を覚えていた。
憶える対象が無意味なものの場合であり、意味がある場合
パーセンテージは変わるので細かい数字は気にする必要はない。


1. 復習システムの構築

忘却曲線①

スペースドリハーサル Spaced Rehearsal

  1. 1回目の勉強 First Reminder
  2. 1 の翌日に1回目の復習 Second Reminder
  3. 2 の1週間後に2回目の復習 Third Reminder
  4. 3 の2週間後に3回目の復習 Fourth Reminder
  5. 4 の1ヶ月後に4回目の復習 Fifth Reminder

このように復習間隔を次第に広げて復習していく方法。
次のスケジュール表を使って勉強する。
縦列が日付で横列が復習の回数。
1日に1行ずつチェックしながらこなしていく。

↓の計画表を印刷↓
Spaced Rehearsal Schedule

忘却曲線からも分かるとおり人間は忘れる生き物である。
よって憶えるためには何回も復習しなくてはならない。
しかし、だだ適当に復習すればいいってものではなく、忘却曲線の結果にしたがって
スペースドリハーサルを使って計画的に復習したほうが確実に記憶できる。

※復習の回数や間隔は勉強する内容によって臨機応変に変えるといい。
例 英単語は5回勉強するが、数学の問題演習は3回程度にとどめるなど。


効率化戦略Efficiency Strategy

◎○×勉強法
  1. 1回目の勉強(First Reminder)。解けて当たり前だった(初見で解けた)ものには◎、解けた問題には○、解けなかった問題には×をつける。また日付もつけておくといいかも。
  2. 1回目の復習(Second Reminder)。◎のついた問題は一切やらない。この時も解けた問題には○、解けなかった問題には×をつける。
  3. 2と同様にして2回目、3回目・・・の復習でも○×をつけていく。○が三回ほど続いたら◎にする。(もちろん自信があれば三回続いてない段階でも◎に変えてもよい。)
  4. この要領ですべて◎にしていく。
  5. 入試直前期にもう一度する。この時は入試までの期間が短いので○から◎にうつる基準は甘くして高速でこなす。(1~4の時、5でもう一度やるまでもないものは◎ではなく問題自体を消すのも可)

スペースドリハーサルで復習すれば普通に勉強するより確実に記憶効率はあがる。
しかし、さらにその効率を上げることができるのが◎○×勉強法
効率化戦略とは、理解・暗記しているものは復習の頻度を減らし、理解・暗記できていないものの復習頻度を上げるようにするというある意味当たり前な戦略である。
極論を言えば”This is a pen.”という文章を何億回復習しようが成績は上がらない。
当たり前にできる、復習しなくてもいいものは徹底的に復習対象から除外して復習効率をあげるべき。

2. 傾きを緩やかに!

忘却曲線②

忘却曲線の傾きを緩やかにするために工夫して勉強する。
さまざまな場所で紹介されている各種の勉強法は大概がこの②に分類される。
一言で言えば、浅い処理ではなく深い処理を行う。

浅い処理とは、ただ繰り返し暗唱したり、書いたり、聞いたりする勉強。
それに対して深い処理とは理解型の暗記、五感を使う、語呂合わせ、関連付け、体制化、語源(英単語や古文の場合)、人に教える・説明するなどといった勉強。
丸暗記してないでちょっとでも工夫すれば忘れにくくなり、復習する回数もすくなくてすむ。

何度も復習して覚えるのは大事。ただ、そもそも復習の回数を減らせるように工夫して勉強することを忘れてはいけない。

3. はじめが肝心

忘却曲線③

「1.復習システムの構築」で効率的な復習システムを構築し、「2.傾きを緩やかに!」でそもそも復習の必要がないように工夫して勉強する。
これで一見完璧だと思われるかもしれないが実はこれだけでは不十分である場合が多い。というのも
そもそも忘却曲線では最初の勉強のとき学習到達度が100%になっているけど、ほんとうにそれは100%なのか!?

実は最初に覚える難易度や形を間違えるとせっかく何回も、工夫して勉強して完璧にしても実践で使えない。
「regard=みなす」の形を100%として覚えてもテストでは使い物にならず実際には60%の理解だったりする。
「regard A as B =AをBとみなす」の形で覚えることによって語法問題や英作文などにも使える100%の実践的な状態になる。
入試のレベルを100%とすると80%や120%の形でなく100%の実践的な難易度・形で憶えなくてはならない。
しかし、ここで注意したいのは勉強対象が志望校のレベルを超えて100%以上になる場合にオーバーワークだからやらないとすぐに決めてしまうのもったいない。
少し深く理解することによって理解型の暗記ができたり、問題を解くスピードが上がることもある。
実際に過剰学習Over Learning という方法もあって一見効率は悪くなるが効果はある。
過剰に勉強するかどうかは勉強対象によって臨機応変に決めるとよい。


まとめ

スペースドリハーサルで最適なタイミングで復習し、◎○×勉強法で復習の効率化をはかる。同時に復習回数を減らせるように記憶に残りやすいよう勉強法を工夫し、そもそも最初に勉強・暗記対象の難易度や形に気を配る。


◎○×勉強法は受験勉強法Blogから引用編集しています。

英単語の具体例でより詳しく→英単語の覚え方


勉強戦略~エビングハウスの忘却曲線~” への1件のコメント
  1. シルバ より:

    はじめまして、京都大学総合人間学部を目指している浪人生です。
    京大生であるhayabusaさんに、京大対策の記事を書いてもらいたいと思っています。
    自分は予備校に通っておらず情報が少なくて不安なので、少しでも情報を教えてもらえると幸いです。

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